島津製作所 京都本社

今回は世界最先端の分析機器で水質汚染や気候変動などの環境問題へ挑む京都の老舗、株式会社島津製作所を訪れました。

快適なSHINKANSEN!
朝7時20分。「昨晩は興奮して寝られなかった」と寝ぼけ眼をこすりながら、品川から新幹線に乗りこみ京都へ向かいました。あいにくの曇天で富士山こそ拝めなかったものの、都会から住宅地、田園風景から山の中へと次々に変わる風景を車窓から満喫。水の上を滑るかのような静かで快適な乗り心地に、ついうたた寝をしたり、車内販売でお弁当やコーヒーを買ってみたりと、学生たちは各々思い思いに新幹線の旅を堪能したようです。

ようこそ島津製作所三条工場へ
いよいよ京都駅に到着。島津製作所の山田瑞枝氏がバスでお迎えに来てくださり、早速三条工場へ向かいました。アジア、南米、アフリカと世界各地からきた学生にとって、京都の街は特にエキゾチックに映ったようで、バスの窓越しに見えた東寺や如意ヶ嶽の大文字、二条城など京都の観光名所を通り過ぎては歓声をあげていました。今回は残念ながら観光をする時間はなかったのですが、学生は皆、いつか将来日本に戻ってきてゆっくりと京都を観光すると、心に決めたようです。
街並みを堪能しているうちに、島津製作所三条工場に到着しました。およそ工場の印象とは程遠い白を基調とした和風モダンな建物で、外気を取り込み空調負担を軽減することのできる自然換気システムや、自然採光を取り入れた構造を採用しているなど環境に配慮した様々な工夫がされているそうです。サステイナビリティ学を学ぶ学生は興味深々のようでした。
島津製作所ではまずはじめに、海外事業開発部企画管理課グループ長の西田悟氏による会社の概要説明と、分析計測事業部グローバルマーケティング部長の上柳敦郎氏から歓迎の挨拶があり、その後地球環境管理室主任の岡野雅通氏より島津製作所が取り組む地球環境にやさしい技術や取組などについて説明を受けました。島津製作所は、地球環境の保全と事業活動の調和を経営の最優先課題の一つと位置づけており、さまざまな取り組みを行っていることが紹介され、学生たちは身を乗り出して聞き入っていました。

これが日本の生活の質を支えている技術なのか!
続いて、質量分析装置やイメージング装置などの島津製作所の最先端分析機器が数多く展示されるScience Plazaを見学しました。わずか0.1mmという小さな段階でがんを早期に発見する検査機器などの最先端の医療技術や、食品の硬さを測定し「サクサク」「カリカリ」など新たな食感を追求するためなどに使われるという測定機器など、ユニークな機器が多く展示されていました。学生たちは「日本の生活の質の高さの秘密はここにあり。」と感心しきった様子でした。

島津製作所の原点にかえる
続いて訪問した創業記念館ではガイドさんが島津製作所の原点となる初代・二代目島津源蔵の足跡と社の歴史を案内してくれました。1階は鴨川と桜をモチーフにした日本初のステンドグラスで彩られた洋風の建築である一方、2階は和風の建築様式とユニークな造りになっていました。記念館では当時使われていた書斎や開発したレントゲンなど多くの展示があり、より豊かな社会を夢見て研究に没頭した初代と二代目の熱意と情熱を、時間を超えて感じ取ることができました。

突撃!島津の社食
「たかが社食・・・」と侮ってはいけない。島津製作所の社食は、京都らしい薄味の味付けで、非常に栄養バランスがとれており、びっくりするほど美味しいのだ。学生たちも「あまりにもおいしくて、食べ過ぎてしまった」「ベジタリアンなので外食する時は食べられるものを見つけるのに苦労しているが、完食したのは初めて」と大絶賛。トマトサラダシーザー風、レアチーズケーキ、焼き豚と卵の混ぜご飯とお豆腐を頂いたのだが、このレアチーズケーキは特に絶品だった。
どうやら、ちゃっかり「お代わり」を頂いた学生もいた模様。ご馳走さまでした!

風光明媚な嵐山で、和を満喫

沢山の方に見送られながら島津製作所を後にし、一行は京都の嵐山へ向かいました。まず、大本山天龍寺塔頭大亀山宝厳院を訪問。美しい日本庭園に、学生たちは暫し都会の喧騒から離れ、苔海と樹木が織りなす嵐山の景観と美をゆったりと堪能していました。短歌や和歌が書かれた石碑や無数に並ぶ石像、枯山水なども学生の目を引いたようです。また、日本文化体験として、お抹茶を頂きました。学生たちは緋毛氈や野点傘の下に座ると、大事そうに両手でお抹茶をうけとり一口。茶道のお作法にも挑戦しながら、お抹茶をたしなんでいました。

株式会社島津製作所様は国連大学協力会の賛助会員としてご支援いただいております。